宮藤官九郎が死ぬまでに絶対やりたい3つのこと|前編

2016.05.19

オリジナルにこだわる理由や主演二人の印象などを聞いた、宮藤官九郎監督インタビュー前編。

監督最新作『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』の主人公・大助は17歳で突然死んでしまい後悔を抱えてしまうことにちなんで、宮藤監督に「死ぬまでにやりたい3つのこと」を答えてもらった。死んだ時に後悔しないために宮藤監督は一体何をしたいのか? 気になる回答は動画をチェック。



宮藤官九郎インタビュー

NHK連続テレビ小説「あまちゃん」など話題作を手がける、人気脚本家の宮藤官九郎。また『真夜中の弥次さん喜多さん』(05)で映画監督デビューするや、『少年メリケンサック』(09)、『中学生円山』(13)とメガホンを取った作品は立て続けにヒットした。そして待望の監督最新作『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』は、長瀬智也と神木隆之介を主演に迎えて贈る、世界初の“超絶地獄コメディ”だ。

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ

──地獄が舞台のコメディを撮ろうと思ったきっかけは?


前作の『中学生円山』で個人的に大好きな映画が作れたという達成感があったので、次はもっと間口の広い作品を作ろうと思いました。これまでいろいろな作品を一緒にやってきた長瀬くんと、暑苦しいロック映画を作りたいと前々から思っていて。

長瀬くんは日本の俳優らしくないダイナミックな演技をする人なので、ジャック・ブラックの『スクール・オブ・ロック』や『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』のような振り切れたコメディが作れるんじゃないかと思って。設定は普通じゃなければないほどいいと思ったので、地獄の赤鬼・キラーKになってもらいました(笑)。

地獄とロックを結びつけたのは、AC/DCやブラック・サバス、KISSなどの歌詞を見ると、たいてい「Kill(殺せ)!」「Hell(地獄)!」など、威勢の良い言葉が並んでいて。“カッコいいヤツが地獄に行く”というのは、そこからの発想です。

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ

──昨今の日本映画は小説や漫画原作が多くオリジナルが少ないですが、ゼロから面白い発想を考えるのは大変ではないですか?


映画監督は色んな才能を持った方がいて、発想が素晴らしい人、脚色が上手な人、演出が上手な人もいる。僕は脚本家としてのオファーが多いので、監督作は発想で勝負したい。最初の物語を発想するところが自分がやりたいことであって、それを広げていく作業がやりたくて、映画を監督しているような気がします。

オリジナルをゼロから立ち上げて完成させるというその行程全部が好きなんだと思います。原作がある場合と違って「こういうのをやりたい」とプレゼンする時に手元に何もないのは不安ですが、それを言葉で相手に説明するところから段々目に見えて揃ってくるのが好きなんですよね。

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ

──長瀬さんとはドラマ「うぬぼれ刑事」(10)以来6年ぶり、神木さんとはドラマ「11人もいる!」(11)以来5年ぶりのタッグでしたね。


長瀬くんは最初から想定してました。本当にやりやすかったですね。連ドラを何本も一緒にやっていて、ひとつのキャラクターをスタートからゴールまで一緒に作ったことが何回かあるので。前はもうちょっとこういう風にしたいとか、してほしいとかあったんですけど、今回はお互いにあまりなかった気がします。
長瀬くんとは仕事をする度にイメージにズレがなくなっていくというか、お互い信頼関係ができてきているんじゃないかなと思いますね。

神木くんは、「11人もいる!」での“突然チャラくなる”芝居がすごく上手だったんですね。
大助というキャラクターがすごくフラットではあるけど、何かもうちょっと色があった方がいいかなと思った時に、自分が先にひとりだけ死んで地獄に落ちたってことを全く深刻に受け止めていないキャラクターがいいかなと。そう決めてから、神木くんがいいかなと思って、そこから大助の役を膨らませました。
現世での高校生としての自分はいまひとつパッとしないけど、それが地獄にきたらクラスの中のヒエラルキーがなくなるから、キャラクターが開放されるという感じがいいなと思った時に神木くんだなと思いました。

TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ

──前作『中学生円山』は中学生、本作は高校生が主人公ですが、学生時代の宮藤監督が投影されているのでしょうか?


僕は男子校だったので、ここまで露骨にヒエラルキーは存在してなかったです。
でもクラスの中でモテる連中とか勉強ができる連中とかいたけど、どことも仲良くしていて、でもどこにも深入りはせずに、客観的に見ているような感じでしたね。高校の時にこの映画のような目にあっていたら、「何にもいいことなかったのに、なんで死ななきゃいけないんだろう」ってたぶん思っただろうな。
そういう意味では、『中学生円山』の時の主人公ほどじゃないけど、大助にもやっぱり自分を投影していますね。あと、キラーKが現世にいた時の近藤っていうキャラクターにも多少自分を投影していますね。


<映画情報>
『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』
6月25日(土)全国ロードショー
http://tooyoungtodie.jp/

予告編



<宮藤官九郎監督作品アーカイブ>
ここで、『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』公開を前に、宮藤官九郎がメガホンをとった過去作品をプレイバック!

『真夜中の弥次さん喜多さん』(05)


『少年メリケンサック』(09)

オンラインで見る

『中学生円山』(13)


取材・テキスト:國方麻紀

★宮藤官九郎インタビュー後編は6月上旬掲載予定。

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PROFILE

宮藤官九郎(くどうかんくろう)

脚本家、監督、俳優、ミュージシャン。1970年7月19日、宮城県生まれ。91年より大人計画に参加。ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」(00/TBS)で脚本家として脚光を浴びる。映画『GO』(01/行定勲監督)で第25回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、ドラマ「木更津キャッツアイ」(02/TBS)で平成14年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、舞台「鈍獣」(04)で第49回岸田國士戯曲賞など、多数受賞。その他主な脚本作品に、『舞妓Haaaan!!!』(07)、『謝罪の王様』(13)、『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(14)、「うぬぼれ刑事」(10/TBS)、「11人もいる!」(11/EX)、「あまちゃん」(13/NHK)、「ごめんね青春!」(14/TBS)、「ゆとりですがなにか」(16/NTV)など。俳優としても活躍する一方、パンクコントバンド「グループ魂」ではギターを担当。『真夜中の弥次さん喜多さん』(05)で映画監督デビューし、2005年度新藤兼人賞金賞受賞。今作は『少年メリケンサック』(09)『中学生円山』(13)に続く4作目の監督作品となる。

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